アプリを試していろいろと書きたかったのですが、その前に今日のニュースで気になったこと。
フジサンケイビジネスの記事です。めざましテレビなどでも取り上げていたので、ご覧になった方も多いのでは?
UBS証券の乾氏は、iPhoneの現段階での国内販売台数を20万台と推測し、「ブームが早くも失速。アップル敗戦」と見ています。果たして、本当にそうなのでしょうか?
私自身、以前のポストにも書いたように、アップルは日本でiPhoneを本気で売ろうとしていたようには見えませんでした。なぜなら、乾氏自身も分析されておられるように、iPhoneにはガラパゴス携帯の象徴的アイテムである「ワンセグ・絵文字・おサイフケータイ」が付いていません。メールアドレスが変わることや、その新しいアドレスがPCメール拒否していると弾かれる(これはドコモの意図的な企業戦略でしょう。)といったこともあり、今までの”ケータイ”に慣れ親しんだ層にはネガティヴポイントが多いのは事実です。と同時に、カメラが200万画素であるなど、搭載されている機能においても、最新の国内携帯と比較すると見劣りするように感じます。では、何故、アップルは日本でiPhoneをリリースしたのでしょうか? そこには、布石を残すということと、将来的な市場開拓という、長期的視野による企業戦略があるような気がしてなりません。
そもそも、日本は”ガラパゴス携帯市場”と例えられるように、独自のケータイ文化を築いてきました。それが、例え世界シェア30%を超えるNokiaであっても、苦戦を強いられてきた要因であったように思います。ここまでは、国内キャリアとハードウェアメーカーがタッグを組み、見事な鎖国戦略が奏功してきたと言えるでしょう。Nokiaの敗因は、SIMフリーの国際常識が通じないことや、先のガラパゴス戦略のせいで、国内キャリアが提供するアプリが使えないことが災いしたのでしょう。また、世界中で積極的に開発されているSymbian S60プラットフォーム向けの有用なアプリが、国内では知る人ぞ知る存在に留まり、それらを有効的に活用するには、高いPC知識を有する必要があります。さらに言えば、アクセサリ類も本来豊富なNokiaですが、国内ではNokiaショップなど、一部のお店でしか取り扱われておりません。本来、Nokiaのウリである「高いシェアと、それに伴う積極的なアプリ、アクセサリの販売によるハード/ソフトの相乗効果」が、日本では残念ながら発揮できなかったのです。
では、対iPhoneにおいても、同じように鎖国を続けることはできるでしょうか。私は不可能だと考えています。ひとつは、iPhone向けのアクセサリ開発が既に活気付き、国内でもビックカメラやヤマダ電気といった大手家電量販店で積極的に取り扱われ始めたこと。もうひとつは、iTunes Store(App Store)を介したシームレスなアプリケーションの提供が可能となったこと。故に、PC知識がそれほど高くなくとも、今までiPodを使っていたかのように、iPhoneをカスタマイズしていくことができるようになりました。
問題はそのアプリの”質”なのですが、それも確実に上がっていくことでしょう。iPhone自体が初代から通じて全世界で800万台売られているとあり、年内には1000万台に到達するのでは?と予想されています。iPod touchを含めると相当な数となります。これらiPhoneOSに向けたアプリ開発が国内外とも活気付かない理由が見当たりません。つまり、国内のケータイ向けアプリを開発している会社であっても、i-modeやau、ソフトバンク向けに固執する理由はなく、むしろ、世界中で自社開発のアプリが売られるという”希望”のあるiPhone向けアプリの開発に注力するのではないか、と読んでいます。
先の記事でもそうですが、iPhoneの引き合いにBlackBerryを持ってきて、「BlackBerryは世界で1500万台売られている。iPhoneはそれに遠く及ばず、BlackBerryこそが勝ち組だ」という論理を展開する人がいますが、それは誤りです。なぜなら、BlackBerryは10年も前から販売されており、1500万台はこれまでの通算です。iPhoneは
たった2年足らずで800万台も売られています。普及速度だけで比較すれば、iPhoneが圧倒的でしょう。しかも、BlackBerryは欧米では「ビジネス向け」と割り切られており、iPhoneのターゲットと微妙にズレます。iPhoneを脅かすとすれば、むしろAndroidやWindows Mobile7(WM7)ではないでしょうか。実際、
WM7の流出画像と言われているものを見ると、iPhoneOSをよくコピーしています。そこに+αの使い勝手があれば、iPhoneを駆逐する可能性はないとは言えません。Androidもしかりで、残念ながらまだAndroid向けハードはQwertyキーの並んだチープなデザインのものが多いのですが、将来的にはタッチインターフェイスで改善してくるでしょうし、Googleの開発力は驚異でしょう。それにしても、
このタイミングでiPhoneに対してBlackBerryを引き合いに持ってきたフジサンケイの記事って、どうも裏があのでは!?と勘ぐってしまいますねぇ。。ま、複数のメディアを抱えるフジサンケイグループとしては、ドコモ様の広告は喉から手が出るほど欲しいでしょうからねぇ。
現時点のiPhoneは「未完成品」だと思います。日本語入力機能は最低だし、App Storeからアプリのアップデートも失敗することが多いなど、問題は山積しています。それらがBug Fixされ、かつ、キラーアプリや周辺機器がもっとたくさん開発されてこそ、本来の魅力を発揮できるでしょう。今はメディアでも「iPhone=iPodに携帯電話機能が付いた新商品」と紹介されていますが、それではダメです。確かにiPhoneはiPodから派生して、携帯電話に擦り寄っていった機器ではありますが、iPhoneの機能を充実させることで、「iPodはiPhoneのキラーアプリのひとつ」という解釈の逆転が起こらなければ完成品とは言えません。iPodがそうであったように、今はまだアーリーアダプター相手の商品ですが、iPhoneの完成度を高めることで、さらにもう一段階、売れ始める時期が来るはずです。きっと、アップル自身も同様に考えているのではないでしょうか。
でもやっぱり、アップデートの可能性が常にあるって言うのはいいですよねぇ。次は9/9と予想されていますが、どうでしょうか。性懲りもなく、次のアップデートでは日本語入力機能が改善されるのでは?と期待しています。それが例えプラシーボであったとしても、何となく改善されたような気分に浸るのでしょうね、きっと。アプリももっと有用なものが出て欲しいですね。まだ、国内向けアプリが少ないのが残念です。ある意味、iPhoneは「永遠の未完成品」として、夢のある商品と言えるかも知れません(笑)